平成24年度活動報告

第26回 日本臨床細胞学会 関東連合会 学術集会詳細

テーマ  『先端医療を支える細胞診断学』
会 期  平成24年9月8日
会 場  高崎シティーギャラリー 〒370-0829 群馬県高崎市高松町35番地1
      群馬音楽センター     〒370-0829 群馬県高崎市高松町28番地2

会 長 挨 拶

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第26回日本臨床細胞学会関東連合会学術集会を開催して
(財団法人)群馬県健康づくり財団病理検査センター・センター長 杉原 志朗


 関東連合会学術集会が群馬で開催されたのは3回目です。平成24年9月8日(土曜日)に第26回関東連合会学術集会を群馬県高崎市の高崎シテイギャラリーで開催されました。テーマは「先端医療を支える細胞診断学」で,特別講演は4演題で、子宮頸がん細胞診と精度管理」と題して、大阪がん循環器病予防センター 婦人科検診部の植田政嗣先生、「中皮腫の病理と細胞診」と題して山口県立総合医療センター病理部の亀井敏沼先生、「乳腺疾患の細胞診断に役立つ病理組織学的知識」と題して埼玉がんセンターの病理部の黒住昌史先生、「脳腫瘍病理診断の要点」と題して群馬大学医学部病態病理の中里洋一先生の講演をして頂きました。特別講演はいずれも示唆に富む内容でした。シンポジウムでは「新しい細胞診断技術による診断精度の向上と臨床支援」というテーマで、先進的な手法で細胞診を行っている細胞診検査士の5名の講演が行われ、活発な討論が行われました。一般講演のポスター発表は24演題集まりました。いずれの演題も活発な討論がされました。ランチョンセミナーにはオリンパス株式会社や日本ベクトンデイッキンソン株式会社、中外製薬株式会社の後援で3演題が行われました。いずれも示唆に富む内容でした。

 細胞診断学を市民に理解して頂くために「細胞診断学ってなに?」というコンセプトで、市民講座を企画し、群馬音楽センターで並行して行われました。サブテーマとして、「ご存知ですか?子宮頸がん、中皮腫、乳癌―細胞診の現場から」として植田政嗣先生は「子宮頸がん検診と予防ワクチン」の講演、亀井敏明先生は「アスベスト暴露と健康被害」の講演、黒住昌史先生は「乳がん治療は病理で決める」の講演をしてくださいました。いずれの講演も市民を対象に解りやすい内容でした。医学系の専門家の他に「想定外を生き抜く力~大津波から生き抜いた釜石の子供たち~その主体的行動に学ぶ~」のテーマで、群馬大学工学部の片田敏孝先生が講演されました。大震災の後の講演で、興味深い講演でした。市民向けのシンポジウムでは「細胞診断学ってなに?」というテーマで、細胞診の市民への認知度を高めるべく、6名の経験豊かな細胞診検査士に講演して頂きました。少しは市民に細胞診断についての理解が深まったと思っております。医師会や県内の病院医師の協力で、無料がん相談コーナーは盛況でした。
学術集会が330名の参加を得られ、市民フォーラムも800名の参加が得られ、成功裏に終了しました。

抄 録 集

第26回学術集会抄録集

特 別 講 演

1、座長:佐々木 寛 (東京慈恵会医科大学附属柏病院産婦人科)
  「子宮頚癌細胞診と精度管理」
     植田 政嗣(大阪がん循環器病予防センター婦人科検診部)

2、座長:小島 勝 (独協医科大学態病理)
  「中皮腫の病理と細胞診」
     亀井 敏昭 (山口県立総合医療センター病理科兼中央検査部)

3、座長:小山 徹也(群馬大学医学部病理診断学)
  「乳腺疾患の細胞診断に役立つ病理組織学的知識」
     黒住 昌史(埼玉県立がんセンター病理部)

4、座長:杉原 志朗(財団法人群馬県健康づくり財団病理検査センター)
  「脳腫瘍病理診断の要点」
     中里 洋一 (群馬大学大学院病態病理学)

シンポジウム

座長:清水 和彦 (足利赤十字病院臨床検査部)
    富澤 一与 (前橋赤十字病院病理診断科)

 「新しい細胞診技術による診断精度の向上と臨床支援」

1、LBCを用いた分子病理診断の現状と可能性
     伊藤 仁 (東海大学医学部付属病院病理検査技術科)

2、呼吸器領域における液状化細胞診の有用性とその応用へ向けて
     阿部 香織 (茨城県立中央病院・茨城県地域がんセンター病理)

3、呼吸器細胞診検体の液状化処理と非小細胞肺癌の診断・治療のための遺伝子解析
     中西 陽子 (日本大学医学部病態病理学系病理学分野)

4、尿細胞診におけるLBC標本について ~LBC PREPの検討~
     西周 裕晃 (公立長生病院検査科)

5、迅速免疫細胞染色
     片山 博徳 (日本医科大学多摩永山病院病理部)